空き家のリフォーム費用は、工事範囲や建物の劣化状況によって、数十万円から2,000万円以上まで大きく異なります。
- 表層リフォーム:数十万〜200万円程度
- 部分リフォーム:100万〜500万円程度
- 全面リフォーム:800万〜2,000万円程度
- スケルトンリフォーム:1,500万~3,000万円程度
この記事では、工事範囲別の費用相場や負担を抑える方法、補助金・減税制度、建て替え・解体との判断基準を解説します。空き家の状態や活用目的に合った選択肢を検討する際にお役立てください。
目次
空き家リフォームの費用相場

空き家のリフォーム費用は、工事範囲によって次のように変わります。
- 表層リフォーム:数十万〜200万円程度
- 部分リフォーム:100万〜500万円程度
- 全面リフォーム:800万〜2,000万円程度
- スケルトンリフォーム:1,500万~3,000万円以上
費用は、延床面積や建物の劣化状況、耐震・断熱工事の有無によって変動します。まずは工事範囲別の相場を確認し、現地調査やインスペクションをもとに、必要な工事を絞り込みましょう。
工事範囲別のリフォーム費用
空き家のリフォーム費用は工事範囲によって数十万円〜2,000万円超まで幅があります。表層リフォームなら数十万〜200万円程度、スケルトンリフォームでは1,500万〜3,000万円程度が目安です。
| 工事範囲 | 費用目安 | 主な工事内容 |
|---|---|---|
| 表層リフォーム | 数十万~200万円程度 | 壁紙・床の張り替え、ハウスクリーニング、部分補修 |
| 部分リフォーム | 100万~500万円程度 | 水回りの一部交換、内装改修、外壁・屋根の部分補修 |
| 内装全面+水回り | 500万~1,000万円程度 | 壁・床・天井、水回り設備、建具の交換 |
| 全面リフォーム | 800万~2,000万円程度 | 内装・水回り・間取り・配管・断熱などをまとめて改修 |
| スケルトンリフォーム | 1,500万〜3,000万円程度 | 柱・梁・基礎などを残して内外装や設備を全面改修 |
費用差が生じる主な理由は、工事範囲が広がるほど材料費や人件費、廃材の処分費用が増えるためです。特に、耐震補強や断熱改修、配管の更新まで含める全面リフォームやスケルトンリフォームは、構造部分まで手を入れるため高額になりやすい傾向があります。
ご自身の空き家がどの工事範囲に該当するかは、劣化状況や築年数によっても変わります。複数社に現地調査を依頼したうえで見積もりを比較してみてください。
場所別のリフォーム費用
空き家リフォームの費用は工事箇所によっても異なり、トイレや洗面所であれば数十万円程度、キッチンや浴室では80万〜250万円程度が目安です。
| 場所・工事内容 | 費用目安 |
|---|---|
| 壁紙の張り替え | 800~1,500円/㎡ |
| フローリングの張り替え | 2万~5万円/畳 |
| キッチン | 80万~250万円程度 |
| 浴室 | 80万~180万円程度 |
| トイレ | 15万~50万円程度 |
| 洗面所 | 15万~40万円程度 |
| 玄関ドア | 20万~60万円程度 |
| 外壁 | 80万~200万円程度 |
| 屋根 | 30万~200万円程度 |
| 耐震補強・改修 | 50万~150万円程度 |
| 壁の断熱改修 | 0.4万~3万円/㎡ |
| 床・天井の断熱改修 | 0.4万~1万円/㎡ |
| 内窓の設置 | 5万~20万円/箇所 |
場所ごとの費用は、設備のグレードや工事範囲(交換のみか、配管や床下まで含めるか)によって変動します。特にキッチンや浴室は設備本体の価格帯の幅が大きいため、同じ「水回りリフォーム」でも見積もり額に差が出やすい部分です。
断熱改修や内窓の設置は面積や箇所数に応じて費用が変わるため、複数箇所をまとめて依頼すると割安になる場合があります。
予算別にできる空き家リフォームの範囲
予算によって実現できる工事範囲は変わり、200万円程度であれば表層改修や一部設備の交換、1,000万円程度あれば内装と設備を中心とした全面改修が可能です。
| 予算 | 想定できる工事範囲 | 工事例 |
|---|---|---|
| 200万円程度 | 表層改修や一部設備の交換 | 壁紙・床の張り替え、清掃、トイレ・洗面所の交換、一部補修 |
| 500万円程度 | 水回りを含む部分リフォーム | キッチン・浴室など複数設備の交換、内装改修、外壁・屋根の部分補修 |
| 1,000万円程度 | 内装と設備を中心とした全面改修 | 水回り一式、内装全面、建具、配管、部分的な間取り変更 |
| 1,500万円程度 | 性能向上を含む大規模リフォーム | 全面改修、耐震補強、断熱改修、間取り変更、配管更新 |
| 2,000万円以上 | スケルトンを含む全面改修 | 内外装の全面改修、水回り移設、構造補強、断熱・耐震性能の向上 |
予算内で優先すべき工事を判断する際は、劣化が進んでいる箇所や、活用目的に直結する工事(居住なら耐震・断熱、賃貸なら水回りや内装など)を優先するのがおすすめです。限られた予算でも効果的な改修につながります。
予算を超える工事が必要な場合は、工事を数年に分けて段階的に実施する方法もあります。
フルリフォームにかかる費用
フルリフォームの費用は、延床面積とスケルトンにするかどうかで変わります。80〜100㎡の戸建てで800万〜2,000万円程度、120〜150㎡になると2,000万〜4,000万円程度が目安です。
| 延床面積・工事範囲 | 費用目安 |
|---|---|
| 80~100㎡の戸建て | 800万~2,000万円程度 |
| 100~120㎡の戸建て | 1,500万~3,000万円程度 |
| 120~150㎡の戸建て | 2,000万~4,000万円程度 |
同じ延床面積でも、建物の劣化状況や工事範囲、耐震・断熱改修の有無によって費用は変動します。フルリフォームを検討する場合は、建物の構造や基礎の状態によって追加工事が発生することもあります。
事前の建物診断(インスペクション)を受けたうえで見積もりを依頼すると、想定される工事範囲や追加費用のリスクを把握しやすくなるため、必要に応じて活用しましょう。
フルリフォームの費用内訳については、以下の記事でも詳しく解説しています。
空き家リフォームの費用が高くなりやすい3つの理由

空き家のリフォーム費用は、居住中の住宅よりも高くなりやすい傾向があります。
主な理由は、次の3点です。
- 空き家期間が長く、劣化が進みやすい
- 解体・撤去時に見えない劣化が発覚しやすい
- 耐震補強や断熱改修が必要になりやすい
空き家期間が長いほど劣化が進みやすい
空き家の期間が長くなるほど、建材や設備の劣化が進み、リフォーム費用は高くなりやすい傾向があります。
人が住んでいない住宅は、換気や通水が行われないため湿気がこもりやすく、木部の腐食やカビ、配管の劣化が進みやすくなるためです。数年以上放置された空き家では、床下や屋根裏の腐食、シロアリ被害が見つかるケースも珍しくありません。
ただし、定期的に換気や通水などの管理が行われていた空き家は、劣化の進行が緩やかなこともあります。劣化の程度は外観だけでは判断しにくいため、リフォーム前にインスペクションを受けることをおすすめします。
見えない劣化により追加工事が発生しやすい
空き家は、解体や内装の撤去段階で、見た目ではわからなかった劣化が見つかり、追加工事が発生しやすい特徴があります。配管の腐食や雨漏りによる木部の腐朽、基礎のひび割れなどは、内装を解体して初めて確認できることが多いためです。
見積もり時には想定していなかった配管の全面交換や、下地の補修が必要になるケースもあります。事前にインスペクションを実施しておくと、追加工事の発生をある程度予測できます。
見積もりを依頼する際は、追加工事が発生した場合の費用や連絡方法についても事前に確認しておくと安心です。
耐震補強や断熱改修が必要になりやすい
築年数の古い空き家は、現在の耐震基準や断熱性能を満たしていないことが多く、耐震補強や断熱改修が必要になりやすい傾向があります。
1981年(昭和56年)6月の建築基準法改正より前に建てられた住宅は「旧耐震基準」で建築されており、国土交通省も耐震性が不十分な住宅が多く残ると指摘しています。
耐震診断の結果、壁の補強や基礎の補修が必要と判断されることもあります。ただし、すべての空き家に耐震補強が必要なわけではありません。建物の構造や過去の改修履歴によって必要性は異なります。
耐震性能や断熱性能は目視だけでは判断できないため、専門家による診断を受けたうえで工事範囲を検討することが大切です。
空き家リフォームの費用の負担を抑える方法

空き家リフォームの費用負担を抑える方法は、次の4つです。
- 活用目的に合わせて工事範囲を絞る
- 複数社から見積もりを取る
- 自分でできる部分はDIYする
- 補助金やローンを活用する
活用目的や予算に応じて組み合わせましょう。
活用目的に合わせて優先順位・工事範囲を絞る
リフォーム費用を抑えるには、活用目的に直結しない工事を後回しにし、優先順位の高い工事から着手することが有効です。居住・賃貸・売却など目的によって求められる工事内容は異なり、目的に合わない工事まで含めると費用がかさみやすいためです。
たとえば売却を前提とする場合は、大規模な間取り変更よりも清掃や部分補修にとどめる方が、費用対効果が高いことがあります。ただし、耐震性や雨漏りなど安全性や資産価値に直結する劣化は、目的にかかわらず優先的に対応した方がよい場合もあります。
優先順位に迷う場合は、リフォーム会社に現地調査を依頼し、必須工事と任意工事を整理してもらうと判断しやすくなります。
複数のリフォーム会社から見積もりを取る
複数のリフォーム会社から見積もりを取ることで、工事内容や費用の妥当性を比較でき、費用を抑えやすくなります。会社によって得意分野や仕入れルートが異なることが金額に差が出る理由です。
2〜3社に相見積もりを依頼し、工事範囲や使用する建材のグレードをそろえたうえで比較すると、金額の違いの理由を把握しやすくなります。ただし、極端に安い見積もりは工事範囲が一部省略されている場合もあるため注意が必要です。
金額だけでなく、保証内容やアフターサービス、担当者の対応も含めて比較することをおすすめします。
自分でできる部分はDIYする
壁紙の一部張り替えや簡単な清掃、庭の手入れなど、専門技術を要さない作業は自分で行うことで、費用を抑えられる場合があります。内装の一部塗装や不用品の処分、簡易な清掃などはDIYで対応しやすい作業です。
一方で、電気・ガス・給排水設備や、建物の構造・耐震性に関わる工事は、DIYでの施工が難しいケースが多いです。専門業者へ任せましょう。
DIYの範囲を誤ると、かえって追加の補修費用が発生することもあるため、事前にリフォーム会社に相談してから範囲を決めることをおすすめします。
補助金やローンを利用する
国や自治体の補助金、リフォームローンを活用することで、初期費用の負担を抑えられる場合があります。断熱・耐震・省エネなど性能向上につながる工事は補助金の対象になることが多く、条件を満たせば工事費用の一部が補助されるためです。
具体的な補助金の内容は、次の章で詳しく解説します。補助金は制度や年度によって内容が異なり、すべての空き家リフォームが対象になるわけではありません。
補助金の詳細やローンの金利、返済条件は、利用前に必ず最新情報を確認してください。
空き家リフォームで使える補助金・減税制度【2026年度】

2026年度は、国の「住宅省エネ2026キャンペーン」をはじめ、自治体の空き家改修補助金、リフォーム減税など、複数の制度を利用できる可能性があります。ただし、制度ごとに対象工事や申請条件、申請時期が異なるため、着工前に内容を確認しておくことが重要です。
国の補助金:住宅省エネ2026キャンペーン
「住宅省エネ2026キャンペーン」は、環境省・経済産業省・国土交通省が連携して実施する、住宅の省エネ改修を対象にした国の補助金制度です。
「住宅省エネ2026キャンペーン」は、次の4事業で構成されています。
- 給湯省エネ2026事業
- 先進的窓リノベ2026事業
- みらいエコ住宅2026事業
- 賃貸集合給湯省エネ2026事業
窓やドアの断熱改修、高効率給湯器の設置などが対象です。
申請手続きは、キャンペーンの登録事業者となっているリフォーム会社などが代行する仕組みで、施主自身が直接申請する必要はありません。補助額や対象工事の組み合わせは事業ごとに異なり、予算上限に達し次第、交付申請の受付が終了します。
制度の詳細や最新の申請期限は、公式サイトで必ず確認してください。
参考:住宅省エネ2026キャンペーン(国土交通省・経済産業省・環境省)
自治体の空き家改修補助金・空き家バンク連動型の支援
多くの自治体では、空き家の改修費用の一部を補助する制度や、空き家バンクへの登録を条件とした支援制度を独自に設けています。空き家の増加は自治体にとっても地域課題であり、活用や流通を促す目的で独自の補助金や助成金が用意されているためです。
空き家バンクに登録した物件のリフォーム費用を補助する制度や、移住者向けの改修助成などが代表的な例です。
制度の名称や補助額、対象となる工事内容、空き家バンクへの登録要件は自治体によって大きく異なります。制度の有無や詳細は、空き家がある市区町村の窓口や公式サイトで確認する必要があります。
自分で住む場合に利用できるリフォーム減税
空き家を自分で住むためにリフォームする場合、要件を満たせば所得税の控除や固定資産税の減額を受けられる可能性があります。耐震・省エネ・バリアフリーなど性能を向上させるリフォームを対象に、「リフォーム促進税制」や住宅ローン減税(増改築)などの制度が設けられているためです。
一定の要件を満たす場合、固定資産税は耐震リフォームで2分の1、省エネ・バリアフリーリフォームで3分の1が、工事翌年度に減額されます。適用期間や工事内容ごとの要件は税制改正により変わることがあり、令和8年度税制改正でも適用期間の延長が行われています。
減税を受けるには工事完了後の申告手続きが必要な場合が多いため、期限を確認しておく必要があります。
参考:国土交通省「住宅をリフォームした場合に使える減税制度について」
補助金・減税制度を利用する際の注意点

補助金や減税制度を利用する際は、対象工事や申請時期などの条件を事前に確認しておくことが欠かせません。
- 自治体によって制度の内容が異なる
- 対象となる工事があらかじめ決められている
- 着工前の申請が必要な場合が多い
- 予算上限に達すると受付が終了する場合がある
- すべての空き家リフォームが対象になるわけではない
- 他の制度との併用に条件がある場合がある
- 年度によって内容が変更される可能性がある
そのため、リフォームを計画する段階で、対象となりそうな制度をリフォーム会社や自治体窓口に確認しておきましょう。着工スケジュールとあわせて申請時期を調整しておくと安心です。
補助金制度の詳しい内容や申請の流れについては、以下の記事でも解説しています。
空き家リフォーム・建て替え・解体の判断基準
リフォーム・建て替え・解体のどれが適しているかは、次の3点から判断します。
- 建物の状態
- 今後の利用予定
- 必要な費用
基礎や構造を活かせる場合はリフォーム、劣化が大きく大規模な改修が必要な場合は建て替え、活用の予定がない場合は解体が向いています。
| 選択肢 | 建物の状態 | 今後の利用予定 | 費用面の判断 |
|---|---|---|---|
| リフォーム | 基礎や構造を活かせる | 居住・賃貸・事業利用を予定 | 改修費が活用後の価値に見合う |
| 建て替え | 劣化が大きく大規模改修が必要 | 長期間の利用を予定 | リフォーム費用と建て替え費用の差が小さい |
| 解体 | 活用が難しい | 建物を利用する予定がない | 維持・管理費の負担を減らしたい |
上記表の情報はあくまで目安であり、実際の判断には建物診断の結果や周辺エリアの不動産相場、解体・建築にかかる費用の見積もりなど、複数の情報を踏まえる必要があります。
リフォームが向いている空き家
基礎や柱・梁などの構造部分が健全で、大規模な劣化が見られない空き家は、リフォームによる活用が向いています。
建て替えに比べて費用を抑えやすく、既存の建物を活かせるため工期も比較的短く済む点がメリットです。ただし、構造部分に大きな劣化がある場合は、リフォームでは対応しきれず、想定より費用がかさむこともあります。
リフォームで対応可能かどうかは、事前のインスペクションで構造の状態を確認したうえで判断することが重要です。
建て替えが向いている空き家
構造の劣化が大きく、大規模な耐震補強や基礎の補修が必要な空き家は、建て替えの方が結果的に合理的な場合があります。
現行の耐震基準・省エネ基準を満たした住宅を新たに建てられるため、性能面での不安が少なくなる点がメリットです。一方で、建て替え費用はリフォームより高額になりやすく、建築基準法上の制限(接道義務など)によって同じ規模の建物を建てられないケースもあります。
建て替えを検討する場合は、リフォーム費用との差額や、再建築が可能な土地かどうかを事前に確認しておく必要があります。
リフォームと建て替えのどちらが向いているかについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
解体が向いている空き家
老朽化が著しく、リフォームでの活用が難しい空き家や、今後利用する予定がない空き家は、解体を選ぶ方が適している場合があります。
解体して更地にすることで、維持管理の手間や倒壊などのリスクを減らし、売却や別用途での活用がしやすくなる点がメリットです。
一方で、解体費用がかかるほか、更地にすると固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなり、税負担が増える場合があります。解体を検討する際は、解体費用だけでなく、更地にした後の固定資産税の変化や、跡地の活用方針もあわせて確認しておくことが大切です。
目的別に見る空き家リフォームの判断基準
リフォームの必要性や優先すべき工事内容は、空き家をどのように活用するかによって異なります。自分で住む場合は耐震・断熱・水回りなど性能面を重視し、賃貸や売却では費用回収の見込みを踏まえて工事範囲を判断することが重要です。
| 目的 | 判断基準 | リフォームの必要性 | 優先する工事 |
|---|---|---|---|
| 自分で住む | 長く住む予定があり、性能向上に費用をかける価値があるか | 高め | 耐震・断熱・水回り・間取り変更 |
| 賃貸に出す | 想定家賃に対して工事費を回収できるか | 物件による | 水回り・内装・設備交換 |
| 売却する | リフォーム費用を売却価格に反映できるか | 低い場合が多い | 清掃・部分補修 |
| 民泊として活用する | 営業条件を満たし、宿泊需要を見込めるか | 高め | 水回り・内装・消防設備・動線改善 |
| 店舗・事業用として活用する | 用途変更や改修費を含めて事業として成立するか | 高め | 用途に応じた内装・設備・動線変更 |
それぞれの判断基準を、目的別に詳しく見ていきます。
自分で住む
自分で長く住む予定がある場合は、耐震・断熱・水回り・間取り変更など、性能向上につながるリフォームに費用をかける価値が高いといえます。居住年数が長くなるほど、快適性や安全性への投資は生活の質に直結するためです。
断熱改修や耐震補強は補助金や減税制度の対象になることもあり、初期費用を抑えながら性能を高められる場合があります。ただし、予算に限りがある場合は、耐震性など安全にかかわる工事を優先し、内装のグレードアップは段階的に行う方法もあります。
賃貸に出す
賃貸に出す場合のリフォームの必要性は、想定家賃に対して工事費用を回収できるかどうかで判断します。過剰な設備投資は家賃に反映しきれず、投資回収に時間がかかることがあるためです。
水回りの交換や内装のクリーニング・張り替えなど、入居希望者が重視しやすい部分を優先することで、費用対効果を高めやすくなります。立地や周辺相場によって必要なリフォームのグレードは異なるため、近隣の賃貸物件の設備水準を調べたうえで工事範囲を決めることをおすすめします。
売却する
売却を前提とする場合、リフォーム費用は売却価格に反映しきれないことが多く、リフォームの必要性は低い場合が多いといえます。買主が自分好みにリノベーションすることを前提に、内装よりも価格や立地を重視して物件を選ぶケースが多いためです。
大規模なリフォームよりも、清掃や部分補修など印象を改善する程度の対応にとどめる方が、費用対効果は高くなりやすい傾向があります。ただし、耐震性や雨漏りなど、資産価値や安全性に直結する劣化は、売却前でも補修した方がよい場合があります。
民泊として活用する
民泊として活用する場合は、営業条件を満たし、宿泊需要を見込める立地かどうかによって、リフォームの必要性が高くなります。民泊営業には、消防設備の設置や、旅館業法・住宅宿泊事業法に基づく基準を満たす改修が必要になることが多いためです。
水回りや内装の改修に加えて、動線の見直しや消防設備の設置などが必要になるケースがあります。民泊としての活用可否は、地域や建物の用途地域、条例によって制限される場合があるため、事前に自治体への確認が必要です。
店舗・事業用として活用する
店舗や事業用として活用する場合は、用途変更の手続きや改修費用を含めて事業として成立するかどうかで、リフォームの必要性を判断します。住宅を店舗などに用途変更する場合、建築基準法上の手続きや、業種に応じた設備基準を満たす改修が必要になることがあるためです。
飲食店であれば厨房設備や換気設備、店舗であれば動線や出入り口の改修などが必要になります。用途変更が可能かどうかは、建物の構造や立地の用途地域によって異なるため、事前に自治体や建築士に確認することが欠かせません。
古い戸建てのリフォーム事例
ここでは、築年数の古い戸建てをリフォームした事例を紹介します。
実際の工事内容や雰囲気を知ることで、ご自身の空き家に必要な工事範囲をイメージしやすくなります。
築40年超の一軒家をフルリフォームした事例
築40年以上が経過した戸建てで、ご高齢の家族がより快適に暮らせる住まいを目指してフルリフォームを行った事例です。
傷みが進んでいた床は下地から一新し、トイレは壁・床をすべて解体したうえで、便器や内装をまとめて交換しています。全体の古さが気になっていたことをきっかけに、家全体の雰囲気を刷新するリフォームに踏み切った事例です。
築年数が経過した戸建てでも、劣化状況に応じて改修することで、暮らしやすい住まいに再生できることがわかります。
詳しい施工内容は以下の記事で紹介しています。
水回り4点・内装・玄関をまとめて改修した事例
お風呂・洗面・トイレ・キッチンの水回り4点に加えて、リビングの内装や玄関ドアまでをまとめて改修した事例です。冬場の浴室の寒さを改善するため、断熱性能を重視した設備や浴室暖房乾燥機を採用しています。
水回りをまとめて改修することで、複数回に分けて工事するよりも生活への影響を抑えながら、住まい全体の使いやすさと快適性を底上げできた事例です。
詳しい施工内容は以下の記事で紹介しています。
空き家リフォームでよくある質問

空き家のリフォームは自分でDIYしても大丈夫ですか?
壁紙の一部張り替えや簡易な清掃など、専門的な資格を要さない作業であれば、DIYで対応しても問題ありません。ただし、電気・ガス・給排水設備のうち資格を要する工事や、耐震・構造にかかわる工事は、専門業者へ依頼する必要があります。
どこまでDIYで対応できるかは、事前にリフォーム会社に相談したうえで判断することをおすすめします。
空き家リフォームにローンは使えますか?
空き家のリフォームでも、リフォームローンや、要件を満たせば住宅ローン(増改築)を利用できる場合があります。ローンの種類によって、金利や借入限度額、審査基準が異なります。
ただし、空き家の場合は担保評価や居住予定の有無によって、利用できるローンの種類が制限されることもあります。具体的な利用可否や条件は、金融機関やリフォーム会社に確認することをおすすめします。
住宅診断(インスペクション)でどんなことがわかりますか?
住宅診断では、基礎や柱などの構造部分、雨漏りの形跡など、目視や計測で確認できる範囲を専門家が調査します。見た目ではわからない劣化の兆候を確認できるため、想定される工事範囲や追加費用のリスクを把握しやすくなります。
ただし、配管内部の劣化やシロアリ被害は、住宅診断だけでは確認できない場合があり、別途専門調査が必要です。診断結果をもとに、必要に応じて配管調査やシロアリ調査も検討しましょう。
空き家リフォームを依頼する会社はどう選べばいいですか?
空き家リフォームを依頼する会社は、空き家特有の劣化(配管の腐食、シロアリ被害など)への対応実績があるかどうかを確認して選ぶことをおすすめします。見積もりの内訳が明確で、追加工事が発生した場合の対応方法まで事前に説明してくれる会社は、比較的信頼しやすいといえます。
複数社に現地調査と見積もりを依頼し、工事範囲や保証内容を比較したうえで判断すると、依頼後のトラブルを避けやすくなります。対応エリアや実績、担当者とのコミュニケーションのしやすさも、選ぶ際のポイントです。

空き家リフォームは費用相場・補助金・劣化状況を確認して判断しよう

空き家リフォームの費用や工事範囲は、建物の劣化状況と活用目的によって大きく変わります。
まずは現地調査やインスペクションで必要な工事を確認し、リフォーム・建て替え・解体も含めて比較しましょう。判断に迷う場合は、複数社から見積もりを取り、工事範囲と費用の妥当性を確認することが大切です。
ISMでは、空き家の現地調査から、リフォームプランのご提案、お見積もりまで対応しています。
ご自身の空き家にどのような選択肢があるか整理したい方は、お気軽にご相談ください。
