補助金や制度の早見表

制度の種類対象になる人・工事支援の仕方判断ポイント
介護保険の住宅改修要支援・要介護認定を受けている人/本人の動作や安全を直接支える工事工事費の一部支給(上限20万円・7~9割)介護認定があるか/工事前申請が必須
自治体のバリアフリー補助金高齢者・障害のある方/転倒防止や介護予防を目的とした改修工事費の一部補助(上限・条件は自治体ごと)住んでいる市区町村の制度有無/介護認定が不要な場合も
所得税の減税
(バリアフリー改修控除)
50歳以上・要介護等/一定条件のバリアフリー改修所得税が軽くなる工事費50万円超/確定申告が必要
固定資産税の減額高齢者・要介護者等が居住/条件を満たす持ち家翌年度の固定資産税が軽減築年数・床面積・申請期限を満たすか
国の住宅支援制度家全体の使いやすさを高める改修/将来も住み続けられるよう工事制度対象として評価
(補助・減税に接続)
動線改善・空間の使いやすさが含まれるか

各制度の公式情報・手続きのリンクはこちらです。制度の詳細確認にお役立てください。

介護保険の住宅改修
自治体のバリアフリー補助金
国税庁|所得税の減税 バリアフリー改修控除の適用条件
国交省|所得税の減税 バリアフリー改修控除を含む制度概要
固定資産税の減額 居住者要件・床面積・築年数
固定資産税の減額 翌年度分の軽減措置
国の住宅支援制度

あなたが使える制度診断

STEP1 介護認定はありますか?
 YES→介護保険が第一候補(工事前申請が原則)
 NO→STEP2へ

STEP2 工事は「手すり・段差・滑り・扉・トイレ」など日常の歩く・立つ・座るの安全対策が中心ですか?
 YES→自治体補助金を確認
 NO→STEP3へ

STEP3 工事費(補助金を差し引いた後で)は50万円を超えそうですか?
 YES→税制の可能性が出る(所得税・固定資産税をチェック)
 NO→ 税制は要件に届きにくい→自治体補助の有無を中心に

STEP4 住まい全体の使い続けやすさに関わる改修ですか? 
 YES→税制(所得税/固定資産税)の要件に合う
 NO→まずは介護保険(該当者)or 自治体補助の枠で整理

バリアフリーリフォームに使える補助金や支援制度に選ばれる基準は、一つではありません。介護保険、自治体の補助金、国の税制や住宅支援制度など、目的や申請・判定基準が異なる制度が用意されています。

そのため、自分の工事の場合に当てはまるか分からない、使い方がわからず他の選択肢を探している方も多いです。

本記事では、何を基準に考え、どこから確認すればいいのか解説していきます。

リフォームで使えるバリアフリー補助金制度は3種類ある

バリアフリーリフォームで使える支援制度は、介護保険・国の税制や支援制度・自治体の補助金などの、目的や役割の異なる3つの制度に分かれています。

金額は制度の判断材料の一つですが、それだけで選べるわけではありません。支援の目的や対象とされる人、ライフスタイルや住まいの状況によって、使える制度は変わります。

ここからは、3つの制度の位置づけを順に解説していきます。

介護保険が適用される住宅改修

介護保険が適用される住宅改修では、費用の一部が支給されます。自宅でこれまで通りの生活が困難になった方を支援するための、介護保険制度に基づいた仕組みです。

一般的なリフォームと違い、工事内容や必要性が介護保険制度の決まりに合っている必要があります。そのため、工事の事前申請や事後報告の手続きを通じて確認が行われます。

具体的には、見積書や図面、写真などの資料をもとに、ケアマネージャーなどの関係者が判断します。

自治体が設けている助成金制度

市区町村によっては、住宅のバリアフリー化を目的とした独自の助成金制度があります。

国の補助金とは違い、地域の実情に合わせて柔軟に取り決められている点が特徴です。高齢化の状況や住宅の築年数、住まいの使われ方などを基準に、助成の可否や内容が決められます。

助成の対象となる工事は、段差解消や手すりの設置など、高齢者や障害のある方が安全に生活できるよう配慮されたものが中心です。住み慣れた家で、できるだけ支障なく使い続けることを支援しています。

介護保険の住宅改修は介護認定が前提ですが、自治体助成の中には、介護認定がなくても受けられるものもあります。そのため、転倒防止や将来に備えた動線改善など、介護予防の目的で活用されるケースもあります。

国の制度が適用される補助金・減税制度

・住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)

バリアフリー仕様も含むリフォームで10年以上の住宅ローンを組んだ場合に、年末のローン残高の0.7%を所得税から控除できる制度です。

工事後に住む住宅で、床面積が50㎡以上、かつ合計所得金額が2,000万円以下であれば対象となります。合計所得金額は年収そのものではなく、給与所得や事業所得などを合算した金額で判定されます。

・リフォーム促進減税(特定改修工事による所得税控除)

耐震やバリアフリー、省エネなど住宅の性能向上を目的としたリフォームを対象に、所得税や固定資産税を軽くできる国の減税制度です。住宅ローンを利用していなくても活用できます。

所得税は、工事内容に応じて翌年分から最大60〜80万円程度が控除されます。また、固定資産税も、工事後の翌年度分を対象に、耐震改修は税額の1/2、バリアフリー・省エネ改修は1/3、長期優良住宅化リフォームでは2/3相当が軽減される仕組みです。

国土交通省の考えとして、特例延長の動きも見られます。

2026年時点では、

・所得税の特例:令和8年1月1日~令和10年12月31日
・固定資産税の特例:令和8年4月1日~令和13年3月31日

までの期間が示されています。

固定資産税では、床面積の条件は50㎡から40㎡へ緩和する方向に進む見込みです。
制度の詳細は変更される可能性があるため、申請時には最新情報の確認が必要です。

・贈与税(住宅取得資金の贈与が非課税になる制度)

親や祖父母から住宅取得等資金の贈与を受け家を建てたり直したりした場合、条件を満たすと贈与税が非課税(かからない)になります。

受贈者は18歳以上で、合計所得金額2,000万円以下(床面積40~50㎡の場合1,000万円以下)が条件となります。さらには、住宅は床面積40~240㎡で、居住用部分が1/2以上必要です。

省エネ・耐震・バリアフリーのいずれかの基準をクリアし、住宅性能証明書などで確認できる「省エネ等住宅」で最大1,000万円、それ以外の住宅は500万円です。

増改築は、自分が所有して住んでいる住宅への工事が対象です。工事費が100万円以上、居住用部分が半分以上である場合に認められます。手続き申請は、工事の翌年2月1日~3月15日の贈与税申告でおこないます。

介護保険のバリアフリー補助金はどう使う制度か

介護保険のバリアフリー補助金は、要支援・要介護認定を受けた方の自宅での安全な暮らしを支える制度です。

この制度は、住宅ではなく人に寄り添って考えられているのが特徴となります。家の広さや築年数ではなく、日常生活の中で身体的な不便さを感じているかで、必要な改修かを判断する仕組みです。

そのため、決められた手続きを踏んだ人が適切に利用できるように、申請にはあらかじめ一定のルールが整えられています。

ここからは、介護保険で認められている改修内容と、どこまで支援を受けられるのかを順に見ていきます。

介護保険で認められているバリアフリーリフォームの対象範囲

介護保険認可のバリアフリーリフォームは、要支援・要介護者が自宅で安全に生活し、無理なく介助を受けられるようにするための改修に限られています。工事内容は、制度上あらかじめ範囲が決められているのが一般的です

ここでは、介護保険で認められている主な改修内容を整理します。

手すりの取り付け

・玄関の上がり下りや出入りを補助する手すり
・廊下の歩行補助用手すり
・階段の昇降を支える手すり
・トイレの立ち座りを補助する手すり
・浴室の出入口や洗い場まわりの手すり
・屋外アプローチ(玄関前など)の手すり
・手すり設置に必要な壁の下地補強

段差の解消

・室内の敷居や床段差の解消
・玄関段差への固定スロープ設置
・廊下・居室・浴室出入口の床段差調整
・床のかさ上げ(床の嵩上げ)による段差緩和
・スロープ設置に伴う転落防止対策
・段差解消に伴う床の撤去・調整
・浴室床調整に伴う給排水工事

滑り防止・移動を円滑にする床材変更

・廊下や居室の滑りにくい床材への変更
・浴室床の滑り防止仕様への変更
・玄関たたき・上がり框まわりの床材変更
・床材変更に伴う下地補修や補強

扉の取り替え・出入口の改善

・開き戸から引き戸への変更
・折れ戸など出入りしやすい扉の変更
・床段差解消に伴う扉の高さ調整
・出入口の間口を広げるための壁調整
・扉交換に伴う壁や柱の必要最小限の改修

便器の取り替え

・和式便器から洋式便器への交換
・立ち座りしやすくするための便器交換
・便器交換に伴う床段差の調整
・便器設置に必要な床材の変更

これらの改修に合わせて必要となる、手すり設置の下地補強や床材変更に伴う下地工事なども含まれます。

ただし、これらは補助的な工事であり、単独の工事は対象外です。

このように、介護保険のバリアフリーリフォームは、安全確保と日常動作の支援に限定されます。転倒などの事故を防ぎ、自宅での生活を続けるための改修が前提です。

介護保険によるバリアフリーリフォームの補助金額と利用条件

介護保険のバリアフリーリフォームの補助金は、訪問介護などの介護サービスの利用限度額とは別に受けられるのが特徴です。

支給対象となる工事費の上限は、一人あたり20万円までとなり、超えた分は全額自己負担です。制度上、上限が定められています。支給額は自己負担割合1〜3割に応じて決まります。

利用できるのは、介護保険で要支援1・2、または要介護1〜5と認定されている方です。そして、介護保険被保険者証に記載の住所と同一で、本人が実際に住んでいる自宅に限られます。入院中や施設入居中の場合は、原則として認められません。

また、転居や身体・生活状況が大きく変わった場合は、改めて支給対象となることも特徴です。

支給は原則として償還払いで、工事費を一度全額支払い、申請後に払い戻されます。また、自治体により受領委任払いで自己負担分の1〜3割を支払い、残りの保険給付分は自治体が業者に直接支払う場合もあります。

申請の仕方として、介護保険の住宅改修は、工事前の申請が原則です。まずは、ケアマネージャーや地域包括支援センターに相談し、健康状態や生活状況を踏まえ、申請の可否を整理します。

次に施工業者を選び、見積もりを取ります。自治体によっては複数社の見積もりが求められるので、受領委任払いを希望の場合は、自治体登録業者であるか確認が必要です。

工事前に、申請書や理由書、見積書、改修を予定している箇所が分かる図面や写真などを揃え、市区町村の介護保険担当窓口で審査を受けます。

事前申請で認可された後は、その内容に沿って工事を行います。なお、申請内容通りではない工事は給付対象外となる場合もあります。

工事完了後は、領収書や改修前後の写真に加え、完了報告書や工事内訳書などを提出します。その後に市区町村が内容確認のうえ、条件を満たしていれば支給対象となります。

自治体のバリアフリーリフォーム補助金と介護保険の違い

バリアフリーリフォームを考える際に、全国共通で利用できる介護保険制度を検討する方も少なくありません。

ただし、調べていくと内容次第で対象外だったり、利用範囲が限定的だと感じたりすることもあります。

そうした時に知っておくと便利なのが、自治体が独自に設けているバリアフリーリフォーム補助金です。

バリアフリー改修を考えるときは、介護保険と自治体補助金をあわせて考えることで、選択肢が広がることもあります。ここからは、その考え方を整理していきます。

介護保険は本人の暮らしを支え、自治体補助金は住まい全体を整える

介護保険による住宅改修費の支給は、2000年に始まった介護保険制度による公的な支援です。全国共通なので、住んでいる地域に関係なく、同じ基準で利用できる仕組みです。

ただし、介護保険の住宅改修は、あくまでも要介護者本人が日常生活を安全に送ることを目的とした制度です。そのため、支援の対象は立ち上がりや移動、転倒防止など、本人の動作や安全に直接関わる部分に限られています。住宅の築年数や間取り、家全体の使い勝手といった点までを幅広くカバーする仕組みではありません。

一方、自治体が設けているバリアフリーリフォーム補助金は、こうした介護保険だけでは対応しきれない部分を補う役割を持っています。地域ごとの住宅事情や高齢化の状況を踏まえ、住まい全体の安全性や使いやすさを整えることを目的とした制度です。

介護保険と自治体補助金を併用する際に押さえておきたい判断ポイント

工事内容が重ならず条件を満たせば、介護保険の住宅改修と自治体補助金を併用できるケースがあります。しかし、同一の工事・費用に対して、原則として二重補助を受けることはできません。

併用が可能となるのは、介護保険の上限額(20万円)を超える費用や、介護保険の対象外工事を自治体が別途補填する場合です。

自治体だと、国の予算が使われている制度では、国費を使った他の補助金とは併用できないことがあります。たとえ窓口が市区町村でも、財源の違いで可否が分かれるため、事前に確認しないまま進めると、補助対象外となります。

申請先が同じでも、国の予算が使われる補助金同士は併用できないことがあります。

申請の順番を間違えると、補助金が使えなくなることも少なくありません。そのため、制度だけでなく工事前の相談や見積書の整理も重要です。

補助金以外のバリアフリーリフォーム制度も

補助金のように現金が支給される制度ではありませんが、税金が安くなったり、国の住宅支援制度によりリフォームの負担を軽くできる制度もあります。

これらの制度では、介助の有無だけではなく、この先の住まいの暮らしやすさも判断されます。介護保険や自治体補助金の対象外でも、別の制度で評価される場合があることは、ぜひ知っておきたいポイントです。

ここからは、バリアフリーに関する税制の優遇と、国の住宅支援制度の考え方について、順に整理していきます。

バリアフリーリフォームで受けられる所得税・固定資産税の減税

税制優遇の主な要件や申請手順については、別記事でも整理しています。税制は対象外になるケースも多いため、制度の違いや申請の流れを事前に確認しておくと安心です。

バリアフリーリフォームは条件を満たせば、所得税の控除や固定資産税の減額といった税制優遇を受けられます。

税制優遇は、補助金とは別枠で、確定申告などにより後から適用されます。

所得税の減税は、50歳以上の方や要介護・要支援認定の方、障害のある方、または65歳以上と同居している世代の方が対象です。

減税の対象となる住宅は、本人が居住しており、床面積が50㎡以上です。工事はバリアフリーリフォームで、標準的な工事費用額が50万円を超える必要があります。控除額は、国が定めた単価で計算されるため、実際の工事費と合わない場合もあります。

減税による控除は、翌年の確定申告期間中に税務署で申請することで適用されます。

一方で、国が住宅ローン控除を中心に床面積要件を50㎡から40㎡へ緩和する動きが出ているのは、小規模な住宅も支援対象に含めるためです。

現時点でバリアフリーリフォームの減税の条件に変更はありませんが、今後見直される可能性があるため、申請時の確認は必要です。

なお、固定資産税の減額は、所得税とは別の制度です。

減額要件に合ったバリアフリー改修を行うと、翌年度の固定資産税(家屋分)が1年間に限り3分の1減額されます。その対象となるのは、65歳以上の方、要介護・要支援認定を受けている方、また障害のある方が居住している住宅です。

築10年以上で、床面積50〜280㎡の持ち家が条件となり、工事費は50万円(税込)超が必要です。減額は住宅の100㎡相当が上限で、申請は工事完了後3ヶ月以内に市区町村でおこないます。

国の住宅支援制度でバリアフリーリフォームが対象になる場合

国の住宅支援制度の基準は、家の中で安全に動けて、これから先も使いやすくなるかです。介護保険が、申請者本人が立つ・歩くを介助する工事かを判断するのとは異なります。

通路を広くして歩きやすい動線を整える、トイレも浴室も含めて毎日の暮らしが楽になるなどの工事が、国の制度で定められたバリアフリー改修に当てはまる場合に、減税などの住宅支援制度が適用対象になります。

下記に、住まい方や家族構成ごとに国の住宅支援制度の考え方を整理しました。

国の制度では、住まい全体の使いやすさも評価対象です。

ケース1:単身高齢者の場合

一人暮らしの場合は、転倒を防ぐだけでなく、先々を考え無理のない暮らしを続けられる住まいかどうかが判断ポイントとなります。

手すり・段差解消は介護保険の適用が基本です。ただし、トイレや浴室も含めて家全体を使いやすく整える工事は、国の住宅支援制度も検討できます。

・トイレの使い勝手を見直す改修
・洋室の床を滑りにくくし、浴槽をまたぐ高さを下げて転倒リスクを減らす工事
・トイレや浴室を含め、水まわりの動線を整えて移動の負担を減らす

これらの工事は、単に動作補助だけのためではありません。いま不便なところを直すだけでなく、これからの暮らしも楽になるかが申請で認められるポイントです。

ケース2:同居世帯の場合

同居世帯では、家族が手助けしやすい住まいかどうかも考えておきたいところです。

・通路や出入口の幅を広げる工事
・トイレや浴室で介助者が横に立てるスペースを確保できる改修
・引き戸にしたり段差解消を含めた動線全体の整理

以上の工事は、本人だけではなく家族の使いやすさも高める改修として評価されやすくなります。

体の動きを助ける工事は介護保険、家全体を使いやすくする工事は国の制度と考えると整理しやすいです。

補助金制度で認められているバリアフリーリフォーム工事の内容

多くのバリアフリーリフォーム補助金制度では、住まいを快適にすることよりも、毎日の動きやすさや負担の軽さにつながるかどうかが大切です。

日々の暮らしの中で起こりやすい転倒事故を防ぎ、移動や立ち座りがしやすくなることで、介助や見守りの負担を少なくするバリアフリーリフォームは、補助金制度の考え方に合いやすいと言えます。

トイレのバリアフリー改修では、使う人だけでなく、介助や掃除をする側への配慮も欠かせません。トイレリフォームの事例もありますので、参考にしてみてください。

介護する方の負担軽減を意識したトイレリフォームの施工事例を、ビフォーアフター動画でまとめています。

プロ目線で選ばれている人気のトイレを、動画で紹介しています。

浴室のバリアフリー改修では、段差・すべり対策に加えて、動線や広さの取り方もポイントになります。

1216から1416へサイズアップしたユニットバスリフォームの施工事例を動画でまとめています。

ここでは、どのような工事が対象となるのかを、玄関・廊下・階段・トイレ・浴室に視点を当てて解説していきます。

玄関・廊下・階段の転倒事故を防ぐバリアフリー工事

バリアフリー補助金を受けやすいのは、日常の歩行や上がり下りで転倒リスクのある玄関・廊下・階段などです。玄関の上がり框(かまち)、廊下の壁沿い、階段といった動線沿いの手すり設置が対象です。

工事の効果を高めるための優先順位としては、まず手すりで転倒しにくい動線をつくり、その後に段差を小さくし、滑りを解消します。そうすることで、無理な体勢やつまづきの原因を減らすことが可能となります。

要支援・要介護認定があると、介護保険の住宅改修費支給制度が適用されます。手すり設置や下地補強を含む工事では、上限20万円まで、自己負担1~3割の支援が一般的です。

介護認定がなくても、市区町村によりバリアフリー改修の助成制度もあります。場合によっては、5~30万円ほどの補助が受けられるケースもあります。

トイレ・浴室での介護の負担を軽くするバリアフリー工事

トイレや浴室では、便器まわりや浴槽の出入口など、日常的に動きの多い動線上で転倒を防ぎ歩行や介助をしやすくする改修が必要です。

トイレや浴室のバリアフリー工事の優先順位を決めるには、立ち上がる瞬間や浴槽をまたぐ場面、濡れた床を歩くときなど、ヒヤリとしやすい場面を思い浮かべるのが一般的です。

そのうえで、手すりの設置や足元の段差・滑りへの配慮、開け閉めしやすい引き戸・折れ戸への変更など、日々の動きを少し楽にしてくれる部分から検討していくと安心です。

具体的には、トイレの手すり設置、開き戸から引き戸への変更、和式から洋式への便器交換が挙げられます。また浴室では、出入口や洗い場・浴槽まわりの手すり設置、段差解消、滑りにくい床材への変更、引き戸・折れ戸へのドア変更などが中心です。

介護保険は、転倒防止などの安全確保が目的かどうかで適用が判断されます。

トイレのバリアフリー改修については、工事内容や費用、介護保険・自治体助成をまとめた記事もあります。具体的な進め方を知りたい方は、参考にしてみてください。

これらの工事は介護保険の住宅改修の対象となりやすく、要支援・要介護認定があれば、上限20万円まで7~9割が支給されるのが一般的です。手すり設置に必要な下地補強は、付帯工事として認められます。

注意すべきは、トイレの拡張を伴う間取り変更や、ユニットバスへの入れ替え、浴室暖房乾燥機、呼び出しブザーなどは、介護保険の住宅改修の対象には当てはまりにくいことです。

ただし条件を満たせば、所得税のバリアフリー改修控除や固定資産税の減額が適用されることもあります。50歳以上または要支援・要介護認定を受けている方が居住し、バリアフリー改修の認可ありで、補助金を差し引いた工事費が50万円を超えていることです。

また状況によっては、介護保険の対象外となる工事でも、自治体独自の助成制度が受けられる場合もあります。

バリアフリーリフォーム補助金を使う前に確認すべきポイント

バリアフリーリフォームの補助金は、工事をすれば必ず使える制度ではありません。それこそ、申請のタイミングや制度の考え方、工事の分類によっては、補助を受けられないこともあります。

ここでは、押さえておきたい確認ポイントを整理していきます。

①介護認定の有無と、工事対象になる人

・要支援・要介護認定があるか
・工事が本人の立つ、歩く、出入りを支えるか
・対象:手すり設置/段差解消/本人が使うトイレ・浴室・通路
→まず確認したいのは、制度の前提に合っているかどうかです。

②工事内容が制度の対象範囲に合っているか

・介護保険:本人の身体動作・安全を介助する工事
・自治体補助金:転倒防止・介護予防・住まい全体の安全性
・税制・国の制度:動線・日々の暮らしを使いやすくする改修
→同じ工事でも、どの制度で判断するかによって扱いが変わります。

③工事前申請が必要な制度が含まれていないか

・申請前に工事を始めた
・申請内容と異なる工事を行った
申請のタイミングを間違えると、内容が正しくても対象外になります。

④二重補助になっていないか

・同一の工事・費用に二重補助は不可
・併用できるケース
 介護保険の上限(20万円)超過分
 介護保険対象外工事を自治体が補助
→制度は重ねて使えないため、工事ごとの整理が欠かせません。

工事費が50万円を超えるか

・補助金差引後の工事費が判断基準
・50万円未満:税制は対象外になりやすい
・50万円超過:所得税控除、固定資産税減額の可能性
→税制を検討するかどうかの分かれ目になる数字です。

⑥相談先と確認の順番

・介護認定の有無(ケアマネ、地域包括支援センター)
・自治体補助金の有無(市区町村窓口)
・税制・国の住宅支援制度
・工事内容と見積もり整理
→順番を意識することで、使える制度を見落としにくくなります。

⑦工事の目的を整理する

・今すぐの安全確保→介護保険が中心
・この先も住みやすくなる→自治体補助・国制度も検討
→目的が定まると、選ぶべき制度も絞られます。

まとめ

バリアフリーリフォームで使える補助金や支援制度は、工事の内容以外にも、誰のための制度か、暮らしの中でどう介助するか、で判断されます。

・本人の日常の動きを支える工事は、介護保険が基本

・住まい全体の使いやすさを整える工事は、自治体補助金や国の制度が対象になりやすい

・補助金の対象外でも、税制優遇で負担を軽くできる

今、困っていることへの対応なのか、それとも、これから先の安心を考えた工事なのか。その違いを意識して選ぶ事で、自分に合った制度が見えてきます。

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