家の老朽化に伴う修繕や、部屋の新設を検討する際、「リフォームか、建て替えどちらにしよう…」と迷われる方は少なくありません。

費用だけで比べようとしても、建物の状態・土地の条件・将来のライフプランなどが絡み合い、正解がないからこそ悩んでしまいますよね。

この記事では、両者の違いを基本から整理したうえで、費用や選び方の判断基準についてわかりやすく解説します。

リフォームと建て替え。まず全体像を把握しましょう

リフォームと建て替えの比較表

項目リフォーム建て替え
費用相場100万〜2,000万円(工事範囲による)2,500万〜4,500万円(30〜40坪)
工期1週間〜6ヶ月(住みながら可能な場合も)6ヶ月〜1年(解体・設計含む)
仮住まい工事範囲により不要なケースも必須
設計の自由度既存構造に制約あり完全にゼロから設計可能
確認申請大規模な場合は必要(2025年4月〜)必須
再建築不可の土地工事可能工事不可

【あなたはどちらが向いている?】判断の目安

以下の条件に当てはまる数が多いほど、それぞれの選択肢が適している可能性が高まります。

■ リフォームが向いているケース

  • 築年数が30年未満、または2000年以降の建物
  • 基礎・構造に大きな問題がない
  • 間取りの変更は部分的でよい
  • 思い入れのある家の雰囲気を残したい
  • 工事期間を短く抑えたい
  • 再建築不可の土地である

■ 建て替えが向いているケース

  • 築35年以上、かつ旧耐震基準(1981年以前)
  • 基礎にひび割れ・沈下・傾きがある
  • 間取りを根本から変えたい(二世帯化・大幅変更)
  • 耐震・断熱性能を最新基準にしたい
  • あと20年以上住み続ける予定
  • フルリフォーム費用が建て替えの7割を超えそう

全体像を理解したうえで、以下で詳しく解説していきます!

リフォームと建て替えの違いとは?メリット・デメリットを解説

リフォームは既存の建物を活かして改修・改善する工事です。そして建て替えは、既存の建物を解体して同じ場所に建て直す工事です。

「住まいを新しくする」という目的は同じでも、アプローチはまったく異なります。どちらが優れているという話ではなく、家の状態や目的によって最適な選択は変わります。

リフォームのメリット

リフォームの最大の強みは、コストを抑えながら住まいを刷新できる点です。建物の骨格を残して改修するため、建て替えと比べて費用を格段に抑えられるケースが多くあります。工事期間も比較的短く、住みながら工事を進めることも可能です。

思い入れのある住まいの雰囲気を残しながら、設備や内装をアップデートできるのも魅力です。省エネ改修(断熱・窓・設備)には国や自治体の補助金を活用できるため、実質的な自己負担を大きく下げることも可能です。

リフォームのデメリット

一方で、リフォームには明確な限界があります。既存の構造・間取りに制約されるため、壁の位置を大きく変えたい場合や耐震性を根本から改善したい場合は、リフォームだけでは対応しきれないこともあります。

見落とされがちな点として「性能向上の限界とコスト」があります。リフォームは単に見た目を整えるだけでなく、断熱等級や耐震等級を現行の新築基準に近いレベルまで引き上げようとすると、工事規模が拡大し、建て替えに近い費用が発生するケースも少なくありません。「リフォームだから安い」という理由だけで選ぶのは避けるようにしましょう。

工事着工後に「想定外の劣化」が発覚するリスクも無視できません。壁を開けると構造材の腐食やシロアリ被害が見つかる可能性があります。

また、2025年4月の建築基準法改正により、2階建ての木造戸建て等で大規模なリフォームにも建築確認申請が必要になるケースが生じました。主要構造部(壁・柱・床・梁・屋根・階段)のいずれか1種以上について過半にわたる修繕・模様替えを行う場合、原則として確認申請の取得が求められます。

確認申請の義務化も含め、事前に把握しておくべき点を理解し、計画の初期段階から専門家に相談することが大切です。

リフォームのリスク対策について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

建て替えのメリット

建て替えの最大の魅力は、住まいを完全にゼロから設計できる自由度の高さにあります。現在の家族構成・ライフスタイル・将来の介護ニーズなど、あらゆる希望を間取りに反映できます。

現行の耐震基準に完全に準拠した建物になるため、地震への安心感は大きく高まります。断熱・気密性能も最新基準で設計できるので、光熱費の削減と快適な室内環境を同時に実現しやすい点も強みです。長期的な資産価値の面でも、新築建物は評価が高くなりやすい傾向があります。

建て替えのデメリット

建て替えの大きなデメリットは、費用と時間がかかることです。解体から設計・施工まで含めると工期は数ヶ月から1年近くに及び、その間の仮住まいや引っ越し費用も別途発生します。総費用はリフォームと比べて高額になりやすく、綿密な資金計画が大切です。

また、土地によっては法規制により建て替え自体が認められない「再建築不可」のケースもあるため、事前確認は必須です。

リフォームと建て替えの費用を徹底比較

費用は、工事の範囲・建物の状態・補助金の活用・資金調達の方法によって大きく変わります。ここでは費用の全体像を整理しながら、見落としがちな盲点も確認していきます。

【リフォーム】費用相場と工事範囲別の目安

費用相場はあくまで目安であり、工事の範囲や建物の状態や使用する素材、業者によって大きく変動します。

①内装

壁紙の張り替え: 約1,000円~/㎡

フローリングの張り替え: 約10,000円~/㎡

収納スペースの増設: 約50,000円~/箇所

間取りの一部変更: 約50万円~

②外装

外壁の塗り替え: 約50万円~

屋根の葺き替え: 約80万円~

玄関ドアの交換: 約20万円~

③水回り

キッチン: 約50万円~

浴室: 約80万円~

トイレ: 約20万円~

④その他

耐震補強: 約50万円~

断熱工事: 約50万円~

フルリフォームする際には、総額500〜2,000万円になるケースが多く見られます。リフォーム費用相場について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

【建て替え】費用相場と主な内訳

建て替えの費用相場は、延床面積30〜40坪の一般的な住宅で2,500万〜4,500万円程度が目安です。 特に、さいたま市では30〜40坪の一般的な住宅で3,200万〜5,000万円程度が目安です。

工事費のほかに、解体費用・設計費・確認申請費・地盤調査費・地盤改良費なども必要になります。建て替えでは、古い建物が建っていた土地であっても地盤調査が必須です。調査の結果、地盤が軟弱と判定された場合は改良工事が求められ、工法によっては50〜150万円、場合によってはそれ以上の費用が発生します。

費用を抑えるポイント

省エネ補助金の活用も重要な検討ポイントです。

・「住宅省エネ2026キャンペーン」

国土交通省・環境省・経済産業省の3省が連携した補助制度が実施されています。

みらいエコ住宅2026事業

「ZEH水準住宅」や「長期優良住宅」の新築、特に高い省エネ性能等を有する「GX志向型住宅」の新築、または省エネリフォームの費用の一部を支援する事業です。2025年度の「子育てグリーン住宅支援事業」を引き継ぐ形で実施されます。

新築(建て替え)では住宅性能と地域区分に応じて補助額が異なり、GX志向型住宅の場合は標準地域で最大110万円、寒冷地では最大125万円が受けられます。

リフォームでは開口部断熱・外壁断熱・エコ設備の導入などが対象で、補助上限は最大100万円です。全世帯が対象で、先進的窓リノベ2026事業や給湯省エネ2026事業との併用も可能です。

みらいエコ住宅2026事業の詳細はこちら

先進的窓リノベ2026事業

内窓設置・外窓交換・ガラス交換など、断熱性能の高い窓への改修工事を支援する環境省の補助制度です。戸建住宅の補助上限は最大100万円で、工事費の約半額を定額補助する仕組みです。みらいエコ住宅2026事業や給湯省エネ2026事業と併用が可能なため、複数の補助金を組み合わせて活用できます。

先進的窓リノベ2026事業の詳細はこちら

給湯省エネ2026事業

エコキュート・ハイブリッド給湯機・エネファームなど、高効率給湯器の導入を支援する経済産業省の補助制度です。機器の種類によって補助額が異なり、エコキュートはエコキュートは基本7万円/台、要件を満たすと性能加算3万円で合計10万円/台。さらに撤去加算(対象機器の撤去)などがあるため、条件次第でさらに上乗せされます。エネファームは最大17万円が支給されます。リフォームと同時に給湯器を交換する場合に特に活用しやすい制度です。

先進的窓リノベ2026事業の詳細はこちら

・住宅ローン控除(減税)

住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用してマイホームを購入・新築した場合、年末時点でのローン残高の0.7%にあたる金額が、所得税や住民税から差し引かれる(控除される)制度です。

2026年度の税制改正により、同制度は2030年まで5年間延長されました。建て替え(新築)の場合、控除対象の借入限度額は長期優良住宅・低炭素住宅で最大4,500万円(子育て・若者夫婦世帯はさらに上乗せあり)、控除期間は13年間です。

2024年以降、原則として住宅ローン減税を受けるには省エネ基準に適合する必要があるので注意しましょう。

住宅ローン減税について:国土交通省

リフォームローンは金利が高めで返済期間が短い傾向がある一方、建て替え時の住宅ローンは低金利・長期返済が可能です。月々の返済額と総返済額の両面から比べたうえで、最終的な判断をしましょう。

リフォームと建て替えで迷ったときの判断基準|あなたの家はどちらが向いている?

費用だけでは判断しきれないのが、この選択の難しさです。ここでは、判断の軸となる3つのポイントについて解説します。

建物の築年数・耐震性・基礎の状態で選ぶ

建物の築年数と耐震性は、最も重要な判断基準のひとつです。

特に注意したいのが1981年(昭和56年)以前に建てられた「旧耐震基準」の住宅です。耐震補強リフォームで対応できる場合もありますが、基礎が無筋コンクリートだったり構造体の老朽化が著しい場合は、建て替えのほうが安全かつ経済的な選択になることも少なくありません。

基礎の状態も重要です。ひび割れ・沈下・傾きが見られる場合、上物をリフォームしても根本的な解決にはなりません。専門家による建物診断を受けることで、現状を客観的に把握できます。「旧耐震基準・基礎に問題あり」という条件が重なれば建て替えの優先度が高まります。反対に、基礎・構造に問題がなければリフォームで対応できるケースが多いでしょう。

家族構成の変化や将来の暮らし方から考える

現在の家族構成と、10年・20年後の暮らしを想像することも大切な視点です。子どもが独立して夫婦2人になる、親を呼び寄せて二世帯住宅にしたい、将来の介護に備えてバリアフリー化したい、などのライフスタイルに応じて、リフォームで対応できるかどうかが変わります。

間取りの大幅な変更や二世帯への転換を検討している場合は、設計の自由度が高い建て替えのほうが長期的な満足度を得やすい傾向があります。設備の更新や一部の間取り変更程度であれば、リフォームで十分なケースがほとんどです。

また、住み続ける期間も判断の軸になります。あと20〜30年以上住む予定であれば、多少費用がかかっても建て替えで快適な住環境を整えることが、長期的なコストパフォーマンスの面でも合理的です。10年以内に売却や住み替えを考えているなら、最小限のリフォームで維持するという選択肢もあります。

土地の法規制・接道条件から考える

建て替えを検討する際には、土地の法規制と接道条件を必ず確認しましょう。ここを見落とすと、計画を進めても法律上実現できないという事態になりかねません。

まず確認したいのが、再建築が可能かどうかです。建築基準法では、建物を建てる土地は幅員4m以上の道路に2m以上接していなければなりません(接道義務)。この条件を満たさない土地では原則として建て替えができず、リフォームになります。

区画が細かい地域(さいたま市の浦和・大宮エリアなど)では、前面道路が狭くセットバックが絡むケースがあります。

用途地域・建蔽率・容積率によって、建て替え後の建物規模が制限される場合もあります。現在の建物が現行法に適合しない状態で建てられた建物の場合、建て替えると延床面積が小さくなる可能性があります。

さいたま市内の住宅地で、前面道路が狭くセットバックが必要だったケースでは、建て替え後の延床が想定より小さくなり、結果として「フルリフォーム+性能向上」の方が満足度が高かった、というケースもあります。


よくある質問(FAQ)

Q. 築何年なら建て替えを検討すべきですか?

明確な年数の基準はありませんが、「築30〜35年以上」「旧耐震基準(1981年以前)」「大規模修繕の費用がかさんできた」という状況が重なるなら、建て替えを検討し始めるひとつのタイミングといえます。ただし建物の状態によって判断は大きく異なるため、専門家による現地調査を受けたうえで決断することをおすすめします。

Q. フルリフォームと建て替えの境界線はどこですか?

一般的に「フルリフォームの費用が建て替え費用の7割を超えるなら建て替えを検討する」という考え方があります。主要構造部に大幅な手を加える必要がある場合は、建て替えのほうが結果的にコストパフォーマンスが高くなることもあります。費用だけでなく、完成後の性能・満足度・将来のメンテナンスコストも含めて比べることが、結果的に後悔しない選択につながります。

Q. リフォームも建て替えも、住みながら工事できますか?

リフォームは工事範囲によって住みながら進められます。ただし、水回りの全面改修や大規模な耐震補強工事の場合は、一時的に仮住まいが必要になることがあります。建て替えは解体から始まるため、工事期間中(半年〜1年程度)は必ず仮住まいが必要です。いずれも費用と期間を事前に計画へ組み込んでおくことが大切です。

Q. 再建築不可の土地でも、家を直せますか?

リフォームであれば可能です。接道義務を満たしていない土地では建て替えができませんが、既存建物の修繕・改修は法律上認められています。ただし2025年4月以降、大規模リフォームには確認申請が必要になるケースがあるため、工事前に専門家への確認が欠かせません。隣地購入による間口拡張など、接道条件の改善によって建て替えが可能になるケースもあります。詳しくは行政や専門家にご相談ください。

Q. さいたま市で再建築不可かどうか、どこを見れば分かりますか?

再建築不可かどうかは、以下の条件を確認する必要があります。

・接道状況や道路種別(建築基準法上の道路に接しているか)
・用途地域・建ぺい率・容積率などの建築形態規制
・地区計画・風致地区など個別の制限の有無

さいたま市の建築基準関係規定等に関する条例や手続き等の詳細は、さいたま市のホームページをご確認ください。

まとめ

リフォームと建て替えの選択は、費用だけでなく、建物の状態・家族の将来・土地の条件を総合的に見て判断することが大切です。

築年数が浅く構造に問題がなければリフォーム、旧耐震基準で大規模な改善が必要な場合や間取りを大きく変えたい場合は建て替えが向いている傾向があります。2025年4月以降の法改正により、大規模リフォームでも建築確認申請が必要になるケースがある点も、あわせて確認しておきましょう。

大切なのは、家族の希望が叶えられること。費用や法規制をふまえながらも、最終的な判断の軸は「その家でどう暮らしたいか」にあります。ご家庭の状況に合わせた最適なプランをご提案しますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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