自宅トイレへの手すり設置は、高齢の家族がいる場合だけでなく、ケガや体力低下に備えて「早めに対策しておきたい」と考える家庭で選ばれるケースが増えています。

トイレは立ち座り動作が多く、転倒リスクの高い場所です。手すりの設置は、日常の安全を守る重要な対策となります。毎日使う場所だからこそ、段差や体勢の変化が負担となり、腰や膝の痛みを引き起こすこともあるでしょう。

「手すりのリフォーム」と聞くと大掛かりな工事をイメージするかもしれません。しかし実際は、比較的短期間で完了するケースが多く、バリアフリー対策の中でも導入しやすい内容です。本記事では、手すりが必要になる背景から種類、費用、助成金制度まで幅広く解説します。

目次

トイレに手すりリフォ―ムは必要?設置するメリット3選

トイレの手すり設置には、安全面や生活の質を高める効果があります。特に高齢者や将来の備えを考える方にとって、導入するメリットは大きいでしょう。ここでは主な3つのメリットを詳しく解説します。

高齢の家族の安全を守る

年齢を重ねると踏ん張る力が弱まり、立ち上がりが困難になるケースがあります。トイレのようにスペースが限られた場所では転倒リスクも高く、骨折などの重大な事故につながりかねません。

手すりがあれば、体を支えながら無理なく立ち座りができます。家族の手を借りずに用を足せることで、自尊心も保たれるでしょう。介助が必要な場面でも、サポートする側の負担が軽減され、介助者の腰痛予防にも役立ちます。

ケガや病気など、将来を見据えた備え

手術後や病気の影響で立ち座りが難しくなることは、高齢者に限った話ではありません。スポーツによるケガや一時的な体調不良など、年齢を問わず起こり得るでしょう。必要になる前に設置しておくことで、急な状況にもスムーズに対応できます。

バリアフリー化で安心感を高める

介護保険制度や自治体の支援制度が利用できるケースもあり、バリアフリー化を進める家庭は増えています。手すりを設置しておけば、介護が必要な状況になっても自宅で暮らし続けやすくなる点もメリットです。

トイレの手すりリフォームの注意点は?デメリット3選

手すりの設置にはメリットがある一方で、いくつか注意すべき点も存在します。設置後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、デメリットも事前に理解しておきましょう。

設置スペースや構造によっては設置できない場合がある

手すりはしっかり固定できる下地が必要で、壁材によっては工事が難しいこともあります。便器と壁の距離などによって最適な位置に取り付けられない可能性もあるため、事前の現地確認が欠かせません。

たとえば、配管の位置によっては、理想的な高さや角度で手すりを設置できず、使い勝手が悪くなってしまうケースも見られます。築年数の古い住宅や、特殊な構造の建物では、施工自体が困難と判断される場合もあるでしょう。

生活動線の妨げになる可能性

手すりの位置によっては、動線を妨げてしまうことがあります。特に車椅子や歩行器を使っている場合は逆効果となるケースもあるため、設置位置の吟味が重要です。

また、トイレ内で介助者が付き添う必要がある場合、手すりの配置によっては介助スペースが確保できず、サポートが困難になる可能性もあります。

家全体のバリアフリーが必要になる場合もある

トイレだけではなく、廊下や洗面所など、家全体で動線を考える必要が出てくる場合もあります。トイレ単体で完結させず、住まい全体の状況と合わせて検討すると良いでしょう。

トイレに手すりを付けても、そこへ辿り着くまでの廊下に段差があったり、ドアの開閉が困難だったりすれば、結局安全に利用できません。玄関から寝室、トイレまでの一連の動線を見直し、段階的に手すりや段差解消などのバリアフリー化が必要になるケースも多くあります。

階段の手すりリフォームについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

トイレ手すりの種類(壁付け・床固定・可動バー)と選び方

トイレ用の手すりには、さまざまなタイプや形状があります。それぞれに特徴があり、使う人の体の状態や住宅環境に合わせて選ぶことが大切です。自宅に合った手すりを選ぶために、基本的な種類と選び方のポイントを押さえておきましょう。

【壁付け・床固定・可動バー】タイプ別特徴

手すりには壁に固定するタイプ、床から支えるタイプ、上下動などができる可動バーがあります。

  • 壁付けタイプ: 最も一般的ですが、下地の有無を事前にチェックする必要があります
  • 床固定タイプ: 支持力が強く、介助が必要な方に向いています
  • 可動バー: 収納可能で、省スペースに役立ちます

【L字型・縦手すり】形状と素材の違い

L字型は立ち上がりと姿勢保持のどちらにも対応しやすく、トイレで選ばれることの多いタイプです。縦手すりは握りやすく、立ち座りをしっかり補助してくれます。

素材は樹脂製、木製、金属製などがあり、滑りにくさも選ぶポイントになるでしょう。冬場の冷たさが気になる場合は、樹脂や木製がおすすめです。

設置前に確認すべき自宅の条件

固定には下地が必要なため、壁内部の状態や配管位置を事前に把握しておきましょう。設置場所の変更が難しいこともあるため、専門業者への相談が安心です。

トイレ手すりの最適な「位置」と「高さ」の目安

高さの目安は、立ち上がるときの肘の高さ程度です。ただし身長や便座の高さによって調整が必要なため、実際の姿勢を踏まえて決めると良いでしょう。便器の中心から横へ、20〜30cm程度の位置に設置するのが一般的です。

トイレの手すりリフォーム前に押さえておきたいポイント

手すりの設置を決めたら、施工前に確認しておくべきポイントがいくつかあります。事前準備をしっかり行うことで、失敗やトラブルを防ぎ、満足度の高いリフォームが実現します。

トイレの寸法の測り方と失敗しやすい点

便器と壁の距離、便座の高さ、扉の開閉スペースをチェックします。コンパクトなトイレの場合は、動線への影響にも注意が必要です。ドアが内開きの場合、手すりの位置によっては開閉の妨げになることもあります。

耐荷重や固定方法の確認 住宅構造による制限がある場合も

耐荷重を確保できる下地が必要です。手すりには体重がかかるため、石膏ボードのみの壁では強度不足となります。賃貸住宅では原状回復のルールがある可能性もあるため、管理会社への事前連絡も忘れずに。

将来を見据えた安全な配置

将来介助が必要になる場合や、家族の状況変化も見据えて配置を決めましょう。柔軟に対応できる手すりを選ぶと安心です。

トイレの手すりリフォーム費用相場と安く抑えるコツ

手すりリフォームを検討する際、多くの方が気になるのが費用面です。ここでは一般的な価格相場から、DIYの可否、助成金制度の活用方法まで、費用に関する情報をまとめました。

部材費・施工費

標準的な壁付けL字型手すりの場合、部材費1万〜3万円、施工費1万〜3万円で、合計2万〜6万円が相場です。種類や長さ、固定方法などによって変動するため、事前に見積もりを取りましょう。下地補強が必要な場合は、追加で1万〜3万円程度かかることもあります。

DIYはできる?安全性や保証面での注意点

市販品でDIYできる場合もありますが、下地不足などにより十分な強度が確保できないリスクがあります。安全面を考えると、専門業者に依頼する方が確実です。万が一の事故を防ぐためにも、プロの施工をおすすめします。

見積もり比較で確認すべき項目

手すりの種類、固定方法、材料費、工事期間など、条件を揃えて複数社に見積もりを依頼しましょう。追加費用の有無も事前にチェックしておくと安心です。

さいたま市でトイレ手すりリフォームに使える助成金・介護保険制度

介護保険の住宅改修や自治体の助成制度が利用できれば、費用負担を大幅に抑えられます。

さいたま市では、要支援・要介護認定を受けている方を対象に、介護保険住宅改修費の支給制度があります。

手すりの取り付けは「住宅改修の種類」の中でも代表的な項目です。ただし、事前申請が必須となっており、必要書類(見積書、工事図面など)を揃えて市に提出する必要があります。

なお、同一住宅での改修は原則一度限りですが、引っ越しや要介護度が3段階以上上がった場合は再度利用できる可能性もあります。

制度内容は変更される可能性があるため、最新情報は自治体の窓口で直接ご確認ください。

さいたま市の助成制度について、さらに詳しく知りたい方はこちら

さいたま市でトイレの手すりリフォームをご検討中の方は、

さいたま市のリフォーム会社であるISMまでお気軽にご相談ください。

介護保険住宅改修の申請サポートや、現地調査・お見積りも無料で対応しています。

よくある質問(FAQ)

実際にトイレの手すりリフォームを検討している方から、よく寄せられる質問をまとめました。

どの業者を選べばいい?資格や実績の確認ポイント

福祉住環境コーディネーターや建築士が在籍している会社、バリアフリー工事の実績が豊富な業者を選ぶと安心です。施工事例の写真や、利用者の声を公開しているかもチェックポイントになります。

相談から工事完了までの流れは?

一般的には、現地調査→提案→見積→契約→施工→完了確認という流れです。工事自体は数時間〜1日程度で終わるケースが多く、生活への影響も最小限で済みます。

助成金や自治体の支援制度は使える?

さいたま市の介護保険住宅改修など、条件を満たすと対象になる場合があります。ただし必要書類や申請の流れは自治体ごとに異なるため、必ず事前に窓口で詳細をご確認ください。

業者との打ち合わせで準備しておくことは?

家族の身体状況、介助の有無、トイレの寸法などを伝えると、より適した提案が受けられます。普段の動作で困っていることや、不安に感じる点も具体的に共有しましょう。

まとめ

トイレ手すりのリフォームは、家族の安全を守るだけでなく、将来への備えとしても有効な対策です。費用を抑えたい場合は助成制度を活用しながら、自宅に合った手すりを選びましょう。

まずは専門業者に相談し、現地調査を依頼することで、安心で快適な住環境づくりの第一歩を踏み出せます。

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