玄関のリフォームをするとき、前後に開くタイプと左右に開くタイプのドアがあります。今回はその中で左右に開く「引き戸」のリフォームについて説明していきます。「費用がどのくらいかかるのかわからない」や「そもそも種類が多くてどれを選んだらいいのかわからない」などという声を耳にします。実際に玄関引き戸のリフォームを行うとどんなメリットやデメリットがあるのか、費用がどのくらいかかるのか詳しく解説していきます。

玄関のドアの種類にどんなものはある?

玄関のドアの種類は様々あります。ここでは、それぞれの種類やメリット・デメリットについて説明していきます。

①引き戸

扉を左右にスライドして開け閉めを行います。扉を開けるのに前後にスペースが必要なく、またバリアフリー配慮となります。引き戸は日本文化の象徴とも言えるスタイルで、和風建築だけでなく現代的な住宅にも採用されています。

引き戸の種類

・袖付タイプ
 袖FIXで採光性アップ。室外側をドアがスライドするので、室内側の壁を有効活用することができます。
・外引込みタイプ
 室外側をドアがスライドするので、室内側の壁を有効活用することができます。
・引違い戸(2枚建、4枚建)
 引違いの定番タイプで種類が豊富です。
・引分け戸
 4枚建の存在感と高い採光性をそなえたタイプです。
・内引込み戸
 壁に引戸が入るので、2枚建でも4枚建並の大開口が得られます。
・袖付2枚連動引込み戸
 バリアフリー対応の大開口が便利な、人気の高い引込みタイプです。
・内片引込み戸
 壁に引戸が入るので外観がすっきりします。シンプルかつおしゃれです。
・外片引込み戸
 室内側に扉がこないので、壁面を有効に活用できる引込みタイプです。

引き戸のメリット

省スペース: 引き戸はスライドして開閉するため、ドアの開閉スペースを取らず、狭い玄関でも使いやすいです。特に、玄関先に物を置くことが多い家庭や、玄関が狭い住宅に最適です。
バリアフリー対応: 高齢者や車椅子利用者に優しい設計で、段差が少なく出入りがスムーズです。段差がないため、転倒のリスクが減り、安全性が向上します。
デザイン性: 伝統的な和風からモダンなデザインまで、さまざまなスタイルに対応できます。アルミやガラス、木材など、素材の選択肢も豊富で、住宅の外観に合わせやすいです。
風通しが良い: 引き戸は少し開けた状態でも固定できるため、通気性を確保しやすいです。これにより、玄関内の換気が良くなり、湿気やカビの発生を抑える効果があります。
出入りがスムーズ: 物の出し入れがしやすく、荷物を持ったままでもスムーズに出入りできます。家具や大きな荷物の搬入搬出が頻繁な家庭にとって、大変便利です。

引き戸のデメリット

気密性の問題: 引き戸は開き戸に比べて気密性が低く、断熱効果が劣ることがあります。冬季には冷気が入り込みやすく、エネルギー効率が低下する可能性があります。
メンテナンス: レール部分の掃除が必要で、ゴミが溜まると開閉がスムーズに行えなくなります。定期的な清掃やメンテナンスが必要で、手間がかかります。
防犯性: 一般的に開き戸よりも防犯性能が劣るとされているため、補強が必要な場合があります。防犯性を高めるためには、補助錠や防犯ガラスの設置が推奨されます。
取り付けが難しい: 既存の建物に新たに引き戸を設置する場合、構造上の制約があることがあります。特に、耐力壁や配管の位置などに注意が必要です。

②開き戸

開き戸は、前後に開閉するタイプのドアです。一般的にはヒンジで固定されており、室内側または室外側に開く形式です。開き戸は最も一般的なタイプの玄関ドアで、多くの住宅で採用されています。

開き戸の種類

・片開き
 アプローチに合せて右開き、左開きのどちらにも対応できるスタンダードなタイプ。
・親子
 片開きのドアに、子扉を組合せたドア。子扉も開閉ができ、大きな荷物の出し入れに便利です。
・片袖FIX
 片袖に固定式の窓があるタイプ。光を採り込み、明るい玄関を演出します。
・両袖FIX
 両側の袖に固定式の窓があるタイプ。左右からたっぷりの光を採り込めます。
・両開き
 左右2枚の扉が開き、大きな開口が得られます。また、重厚なイメージを演出できます。


開き戸のメリット

気密性が高い: 開き戸はしっかりと閉まるため、気密性が高く、断熱効果に優れています。これにより、冷暖房効率が向上し、エネルギーコストの削減につながります。
防犯性: 鍵や補助錠の設置が容易で、防犯性が高いです。複数のロックシステムを取り入れることで、さらに安全性を高めることができます。
バリエーション: 素材やデザインの選択肢が多く、好みに合わせて選べます。木製、金属製、ガラス製など、さまざまな素材が利用可能です。
耐久性: 頑丈な構造で、長期間使用できます。適切にメンテナンスを行えば、非常に長持ちします。

開き戸のデメリット

スペースが必要: 開閉時にドアが占有するスペースが必要で、狭い玄関では不便です。特に玄関前に障害物がある場合、開閉が困難になることがあります。
バリアフリー対応が難しい: 開閉に力が必要な場合があり、高齢者や車椅子利用者には使いにくいことがあります。バリアフリーを重視する場合、引き戸の方が適しています。
風が強いと不便: 風が強い日には、ドアの開閉が難しくなることがあります。特に外開きの場合、風でドアが急に閉まることがあり、危険です。

玄関の引き戸リフォームにはいくらかかる?

引き戸リフォームの費用は、素材やデザイン、施工内容によって異なります。以下は一般的な費用の内訳です。

①具体的な金額の提示(相場)

玄関の引き戸のリフォームにかかる費用の相場は「30〜50万円」です。

【内訳】
本体代

アルミ製引き戸: 1枚あたり約5万円〜10万円
木製引き戸: 1枚あたり約10万円〜20万円
強化ガラス引き戸: 1枚あたり約15万円〜30万円

施工費

取り付け工事費: 1件あたり約5万円〜10万円
既存ドアの撤去費用: 約2万円〜5万円
その他付帯工事費用: 約1万円〜3万円

追加費用の可能性もある
引き戸リフォームの際には、上記の費用以外にも追加費用が発生する場合があります。

防犯強化費用: セキュリティ強化のための補助錠や防犯ガラスの設置に追加費用がかかることがあります。
デザイン費用: 特注のデザインや高級素材を使用する場合、追加費用が発生することがあります。
配管や電気工事費用: 玄関周りの配管や電気配線の移設が必要な場合、追加の工事費用がかかることがあります。

②開き戸→引き戸に変更したケース

開き戸から引き戸に変更する場合、既存の開き戸を撤去し、新しい引き戸を設置するための工事が必要です。以下が費用相場と内訳になります。

合計費用
約28万円〜38万円

内訳
既存開き戸の撤去費用: 約3万円
新しい引き戸の材料費: 約10万円〜20万円(アルミ製)
取り付け工事費: 約10万円
その他付帯工事費用: 約5万円(壁の補修や新しいレールの設置など)

③引き戸を交換した場合

既存の引き戸を新しい引き戸に交換する場合、既存のレールを使用するか、新しいレールを設置するかで費用が異なります。以下が費用相場と内訳になります。

合計費用
既存レール使用: 約16万円〜31万円
新しいレール設置: 約18万円〜33万円

内訳
新しい引き戸の材料費: 約10万円〜20万円(アルミ製)
取り付け工事費: 約5万円〜10万円
既存レールの使用費用: 約1万円
新しいレールの設置費用: 約3万円

引き戸のリフォームで価格を抑える方法

玄関の引き戸のリフォームを安くする方法には、次の2つがあげられます。
①補助金を活用する
②相見積もりをとる 

上記の安くする方法について以下より解説していくので、費用をできるだけ抑えて玄関の引き戸のリフォームがしたい方はぜひ参考にしてください。

①補助金を活用する

国によるリフォーム補助金制度のうち、玄関ドアのリフォームに利用できるものは以下の5種類です。

介護保険の高齢者住宅改修費用助成制度
子育てエコホーム支援事業
次世代省エネ建材支援事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業
断熱リフォーム支援事業


また、都道府県や市町村が個別に行っている補助金制度もあります。東京都で玄関ドアのリフォームに利用できるものは以下の通りです。

・東京都 既存住宅における省エネ改修促進事業

複数の補助金を併用できる?

国が行っている補助金制度は、併用できない場合がほとんどです。ただし国と市区町村のように、財源が異なる補助金であれば併用できることもあります。補助金制度に詳しいリフォーム事業者を頼ることで、リフォーム内容に対してもっとも金額が多くなる補助金を教えてもらえるでしょう。

②相見積もりをとる


リフォーム業者によって価格やサービス内容が異なるため、2〜3社程度の相見積もりを取ることが重要です。以下のポイントに注意して業者を選びましょう。

詳細な見積もりを依頼する

具体的な作業内容や使用する材料を明記してもらいましょう。曖昧な見積もりは後で追加費用が発生する可能性があるため、詳細な見積もりを依頼することで予算の見通しが立てやすくなります。また、施工期間やアフターサービスについても確認しておくと安心です。

業者の信頼性を確認

評判や口コミをチェックし、信頼できる業者を選びましょう。過去の施工実績や顧客のレビューを参考にすることで、業者の信頼性を判断できます。友人や家族、知人からの紹介も有力な情報源です。加えて、業者の資格や登録情報を確認し、法的に問題ない業者を選ぶことが大切です。

価格だけでなく品質も考慮

最安値の業者を選ぶだけでなく、品質やアフターサービスも重視します。安価な業者に依頼した結果、施工が不十分だったり、アフターサービスが不十分だったりすることがあります。長期的な視点で見ると、多少高くても信頼性のある業者に依頼する方が結果的にコストパフォーマンスが良い場合もあります。

アフターサービスの確認

施工後の保証やメンテナンスサービスについても確認しましょう。リフォームは一度施工が終わったらそれで終わりではなく、長期的な使用を考えるとアフターサービスの質が非常に重要です。業者によっては、一定期間の保証や無料点検を提供しているところもありますので、しっかりと比較しましょう。

まとめ

玄関には「引き戸」と「開き戸」の2種類があり、両方のリフォームについて費用やメリット・デメリットや、費用を抑えるコツや注意点について解説してきました。
引き戸は省スペースでバリアフリー対応のため、多くのメリットがありますが、初期費用やメンテナンスの手間がかかるデメリットもあります。
開き戸は、気密性が高く、断熱効果や防犯性に優れているため、長期間使用できますが、開閉時にスペースが必要で、バリアフリー対応が難しいデメリットがあります。
どちらのリフォームであっても検討される際は、
①活用できる補助金はないか確認して活用する
②相見積もりを2~3社取って詳細を確認する
などチェックしてお得に失敗のないリフォームを実現してください。
玄関ドアには様々な種類があり、それぞれのメリット・デメリットが異なるため、目的や要望をしっかり汲み取って具体的な提案をしてくれる業者を選びましょう。

リフォーム業界には不透明な部分も多いため、正しい情報をもとに業者選びをすることが重要です。この記事が、玄関の引き戸のリフォームを検討している方や、これからリフォームを考えている方の参考になれば幸いです。玄関の引き戸のリフォームを成功させるためには、情報収集を十分に行い、信頼できる業者を選びましょう。自分に合ったリフォームプランを見つけ、快適で省エネな住環境を実現してください。

玄関の引き戸のリフォームを検討している方や、これからリフォームを考えている方はぜひ株式会社ISMまでお気軽にご相談ください。どうしようか悩んでいる方も大歓迎です。以下の問い合わせページからお問い合わせください。

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