日本の伝統的な様式で作られた建築である和室。

木材を生かした内装や温かみのある畳など、どこか安心できて落ち着けるのが魅力的な建築です。

「日本間」とも呼ばれ、日本特有の建築なことから日本人だけではなく外国人観光客も和室の体験に訪れることも多いです。

しかしそんな日本家屋ですが、近年築年数が経ってしまいかなり状態が悪くなってしまったという話をよく聞きます。

そのままにしておくと雨漏りや壁のひび割れなど、更なる劣化を招くことになってしまうでしょう。

そこで本記事では、和室リフォームの費用や相場・ポイントやよくある質問をご紹介しています。

ぜひ参考にして、昔ながらの和室を守ってくださいね。

和室とは?

和室 掘りごたつ

和室とは、主に以下の要素のある部屋のことを指します。

  • 床が畳になっている
  • 襖や障子がある
  • 床の間がある
  • 木材や漆喰などの天然の素材が使われている
  • 襖や障子で仕切られており開くと部屋を広くできる

具体的な定義などはありませんが、特に畳や襖・障子がある部屋なら和室と言ってもいいでしょう。

また和室の特徴として、通気性や調湿性が高いところが良さとして挙げられています。

日本で住むにあたって、快適になるよう考えられて作られた部屋ということですね。

和室リノベーションとの違い

洋室 イメージ

和室をリフォームする上で、一つ覚えておいてほしいのが「リノベーション」です。

リフォームは和室をそのまま生かしてリメイク・劣化部分の改善を行うような工事を指します。

一方リノベーションは住みやすさを重点に置きつつ、和室を洋室や和モダンに工事するなど一新する場合に使われる言葉となっているのです。

またその違いから、それぞれ得意とする業者が異なることもありますので、自身が行いたいのがリフォームなのかリノベーションなのかは判断しておくと良いでしょう。

和室リフォームの選択肢について

作業服の男性 疑問

和室リフォームの選択肢について、以下3点を解説していきます。

  • 一部分のみをリフォームする
  • 和室を生かしたリフォームを行う
  • 和モダン・洋室へとリノベーションを行う

それぞれ詳しく見ていきましょう。

一部分のみをリフォームする

和室リフォームの選択肢として、一部分のみをリフォームする選択肢が挙げられます。

リフォームはやはり費用が掛かりますので、あれもこれもとしていると最終的には思いもよらぬ額になることも珍しくありません。

したがって、必要最低限の部分のみをリフォームすることで費用を抑えることができるでしょう。

費用に重点を置いている方は、本当にリフォームした方がいい部分をピックアップしてリフォームを行ってみてください。

和室を生かしたリフォームを行う

和室リフォームの選択肢として、和室を生かしたリフォームを行う選択肢が挙げられます。

和室を生かすことで、今まで通りの住みやすさにプラスしてより快適な部屋へとすることが可能です。

例えば使っていない押し入れをクローゼットにしたり、掘りごたつを作ったりと和室を生かしてさらに新しく便利にする方法は数多くあります。

リフォームしたい箇所があっても、具体的にどうするのがいいかわからない場合は業者に相談して納得のいくものを見つけることをおすすめします。

和モダン・洋室へとリノベーションを行う

和室リフォームの選択肢として、洋室・和モダンへとリノベーションを行う選択肢が挙げられます。

大幅に和室を改修することにはなりますが、結果的に住みやすく快適になるのであればリノベーションも非常に有効です。

ただし和モダンであれば、古き良き和室の雰囲気を残しつつ現代の最新デザインを取り入れることができるため、和室の良さを残すことができます。

どちらにも良さがありますので、部屋をどうしていきたいのかをしっかり考えて結論を出してみてください。

20万円以内で可能な和室リフォーム

和室 畳

続いて、20万円以内で可能な和室リフォームを以下3点解説していきます。

  • 畳の新調
  • 襖・障子の張替え
  • 照明の交換

それぞれ詳しく見ていきましょう。

畳の新調

20万円以下で可能な和室リフォームとして、畳の新調が挙げられます。

畳は一般的に、10年を超えるくらいか最長でも20年ほどが新調の目安とされています。

また畳新調の相場は1枚当たり1万円〜2万円程ですので、一部屋位であれば10万円もかからないこともあるでしょう。

畳を10年以上変えていない場合は、新調することで気持ちの良い床で過ごすことができるでしょう。

襖・障子の張替え

20万円以下で可能な和室リフォームとして、襖・障子の張替えが挙げられます。

長年同じものを使っていると、傷や汚れ・穴などが開いてしまう他、デザインに飽きてしまうこともあるでしょう。

襖のリフォーム費用は1枚当たり3,000円~10,000円、障子は2,000円~10,000円となっており、高級なものになると5万円ほどになることもあります。

また自身で張り替えることもできますが、やはりプロに依頼した方が確実ですので失敗のリスクを避けるためにも業者に依頼することをおすすめします。

照明の交換

20万円以下で可能な和室リフォームとして、照明の交換が挙げられます。

リフォームにおいて照明は地味な要素ですが、一方で照明を変えたことで一気に部屋の雰囲気が変わる可能性も秘めている重要な家具です。

照明の交換費用相場は10,000円〜40,000円ほどですが、照明によってはそれ以上にもなるため新調に選ぶ必要があります。

ぜひ部屋にふさわしい照明を選んでくださいね。

20万円~40万円で可能な和室リフォーム

和室 押し入れ

続いて、20万円~40万円で可能な和室リフォームを以下2点解説していきます。

  • 押し入れのリフォーム
  • 洋室への模様替え

それぞれ詳しく見ていきましょう。

押し入れのリフォーム

20万円~40万円で可能な和室リフォームとして、押し入れのリフォームが挙げられます。

使っていない押し入れがある場合は、クローゼットやスライド式の収納にすることで効果的に空間を使うことが可能です。

また小規模のリフォームであれば、10万円台でリフォームすることもできます。

一方でウォークインクローゼットなど大規模なリフォームとなる場合は~50万円になることもありますので、快適さを求めつつ予算と相談をしてみてください。

洋室への模様替え

20万円~40万円で可能な和室リフォームとして、洋室への模様替えが挙げられます。

完全に洋室にするのではなく、あくまで洋室のように模様替えをする方法です。

具体的には、以下の箇所を模様替えしていきます。

  • 畳にフローリングのマットや絨毯を敷く
  • 壁に洋室風になる壁紙を貼る
  • 襖に洋風の壁紙・布を貼る
  • 障子を外して突っ張り棒をしカーテンに変える

このような模様替えをすることで、洋室への完全なリフォームを行うよりも費用を抑えることが可能です。

40万円~60万円で可能な和室リフォーム

和モダン イメージ

続いて、40万円~60万円で可能な和室リフォームを以下2点解説していきます。

  • 洋室へのリフォーム
  • 和室と他の部屋を一体化

それぞれ詳しく見ていきましょう。

洋室へのリフォーム

40万円~60万円で可能な和室リフォームとして、洋室へのリフォームが挙げられるでしょう。

具体的には、以下の箇所をリフォームしていきます。

  • 畳をフローリング床へとリフォーム
  • 壁や天井を洋風なものへと変更
  • 押し入れをクローゼットへとリフォーム
  • 襖・障子をドアや引き戸など洋風なものへ変更
  • 和室の段差を調整

他にも洋風の家具を揃えたり、窓を洋風なものへと変更したりなどこだわるところが多いためかなり計画が必要です。

また上記のようなリフォームだと、合計でおよそ30万円~60万円程ですが、部屋の規模や装飾内容によっては60万円を超えることも珍しくはないため、予算を決めつつ業者に相談してみましょう。

和室と他の部屋を一体化

40万円~60万円で可能な和室リフォームとして、和室と他の部屋を一体化が挙げられるでしょう。

和室と他の部屋の間にある壁を撤去することで、2部屋を一体化し広い部屋を作ることが可能です。

相場費用としては壁の撤去で4万円~20万円程、床の段差を調節するのに20万円~40万円ほどかかりますので、場合によっては60万円を超えることもあります。

とはいえ家の印象がガラッと変わりますので、一考の価値はあるリフォームであると言えるでしょう。

その他の和室リフォームや費用については、以下の記事でご紹介していますのでぜひ合わせてごらんください。

和室リフォームを行う上でのポイント

ポイント 女性

続いて、和室リフォームを行う上でのポイントを以下3点解説していきます。

  • 床の防音性や断熱性に注意する
  • 床の高さを揃える
  • デザインにこだわる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

床の防音性や断熱性に注意する

和室リフォームを行う上でのポイントとして、床をフローリングにリフォームした時の防音性や断熱性に注意する点が挙げられます。

フローリングは畳と異なりきしむ音や、何かを落としたときの音が大きくなってしまうため、特に下の階に他の住人がいる場合は騒音トラブルになりかねません。

また冬場は底冷えしてしまう可能性があるため、畳の時より冷えてしまう可能性があるでしょう。

防音のフローリングを使ったり断熱材を入れて置いたり等リフォーム前の時点で対策はできますが、その分費用が高くなるためラグを敷くなどして対策するのも費用面においては効果的でしょう。

床の高さを揃える

和室リフォームを行う上でのポイントとして、床の高さを揃える点が挙げられます。

和室は多くの場合部屋と部屋で段差があることが多く、これを残してしまうと日常生活で転倒してしまうリスクが発生します。

したがって多少費用が掛かっても、床の高さを揃える工事は行うべきでしょう。

大抵の場合業者の方から相談があると思いますので、指示に従ってリフォームをしてみてください。

デザインにこだわる

和室リフォームを行う上でのポイントとして、デザインにこだわる点が挙げられます。

和室リフォームはかなりの費用が掛かるため、そう何度も依頼できることではありません。

したがってデザインに手を抜くと、その後数十年後悔をしながら暮らしていくことにもなりかねないのです。

和室リフォームの際は自身の希望だけではなく、業者の意見や提案もしっかり取り入れて、後悔のないようにしましょう。

和室リフォームでよくある質問3選

よくある質問

続いて、和室リフォームでよくある質問を以下3選ご紹介していきます。

  • 家に誰もいない時でもリフォームを進めてもらうことはできますか?
  • リフォームが始まってから追加費用が発生する可能性はありますか?
  • 部屋の片づけは必要ですか?

それぞれ詳しく見ていきましょう。

家に誰もいない時でもリフォームを進めてもらうことはできますか?

家に誰もいない時でも、業者にカギを預けることでできる可能性があります。

中にはリフォーム中は別の場所で寝泊まりをして、完成を待つという人もいるのです。

ただし、防犯的な理由からのリスクも多大にある上、物がなくなったなどの余計なトラブルを招く可能性もあるでしょう。

したがって、貴重品は手元に置いておいたり、在宅の時だけリフォームに来てもらったりと臨機応変に対応・判断を行うことが大切です。

リフォームが始まってから追加費用が発生する可能性はありますか?

リフォームが始まってから追加費用が発生する可能性はあり得ます。

具体的には、以下のようなケースの場合に追加費用が発生することがあるでしょう。

  • 木材の腐食やカビ・シロアリ被害等が発生していた場合
  • 既存設備が予想より劣化していた場合
  • 電気配線の劣化により工事が必要となった場合

リフォーム前には現地調査を行いますが、壁の中や床下など開けてみないと状態がわからないところがどうしても出てしまいます。

上記のような状況の場合予定通りの工事が不可能となることがあるため、追加費用が発生してしまうことがあるのです。

部屋の片づけは必要ですか?

部屋の片づけは、リフォームを行う前には必要となります。

リフォーム前には、規模によりますが基本的にすべての家具を外に出すか、残すものはビニール袋等をかけて汚れないようにします。

自分や家族だけで厳しい場合は業者の人に手伝ってもらったり、別料金にはなりますが搬出サービスなどを活用しましょう。

ただし現地調査だけの場合は、どのようにその部屋を使っているかも調査対象となるため、基本的に片づけは必要ありません。

ismの築40年古民家リフォーム事例をご紹介!

作業員 ガッツポーズ

ismでは、埼玉県さいたま市を拠点として、年間100軒以上のリフォーム工事を行っています。

和室リフォームも手広く行っており、以下の記事では築40年を超える古民家を洋室へとリフォームした施工しました。

和室リフォームのことなら、ぜひismにご相談ください。

まとめ

本記事では、和室リフォームの費用や相場などを詳しく解説していきました。

和室のリフォームには、和室のままリフォームする選択肢や、和風モダン・洋室など一新するリフォームなど、いろいろな方法があります。

後悔しないよう、最善の選択をして快適な暮らしを手に入れましょう。